2020年8月27日実施19:00~21:00
こんばんは。
ファシリテータを務めた宝金です。
今回の「対話すなっく」のテーマは、「人それぞれって良いこと?」でした。
私たちは、それぞれに違う考えがあり、ある一つの話題に対しても様々な意見が出てきます。現在の社会では、個性を大切にすることや自分の意見を持つことが重要とされています。しかし、人それぞれが自由に行動してしまった場合、今の私たちの生活は成り立っていないかもしれません。一方、皆が自由に行動できた方が幸せだと感じる人もいるかもしれません。
「人それぞれ」であることは、何によって決まり、どのように確立されるものなのでしょうか。高知大学学生9名で対話してみました。
正直、私は、「人それぞれ」という言葉を使った経験があまりなかった。果たして、みんなはどのような状況で使っているのか、聞いてみたかった。
なので、まず、「人それぞれ」とはどんな場面で使われているかについて話した。
・小5のクラステーマ:十人十色 (人それぞれ≒十人十色?)
→みんな違ってみんないい
→先生が「生徒全員、個性があってもええやんという人」
・服とか食べ物とか、個人の好みを話している時に好き嫌いが人と違っていても問題ない
・大学の時に、学生に対して、大人が攻め気味に「なんで大学に入ったの?」と言われて、大学に入ったことは「人それぞれでしょ」と発言(ポジティブでもネガティブでもなく、それぞれ理由があるでしょ!という意味で)
・大学2年の時、子供のキャンプ企画を大学生自らで1から100まで準備しよう!
大学が考える目的は「子供たちの自己肯定感が高まるキャンプをしたい!」
しかし、子供たちの個々人の意見があるね(人それぞれ)!ということで、大学生だけで考えるのではなく、子供たちの意見を聞く必要があることを実感した。
・作業を教えてもらうために、「人それぞれやけど、私はこのようにやっているかな」
いろいろなやり方がある場合に使う。
→あなたに合うやり方を見つけてね!というニュアンス。
→他の人は知らんけど、や、独自性をアピール?と捉えることができる
・友達から人の悪口を聞かされている時に、内容がどうでもよかったので、「人それぞれじゃない?」と使った。
→返答を適当に返す時に使う
→場を埋めるような言葉。
などといった、意見が挙がった。いろいろな「人それぞれ」が出てきた。それぞれの「人それぞれ」にはどのような意味があるのか、もう少し深堀りしていくことにした。
次に、「人それぞれ」とはポジティブな言葉?ネガティブな言葉?それとも、あまり意味がないのかについて対話した。
・例えば、「多様性」はポジティブな時に使いたいけど、「人それぞれ」は特に意味がない時に使う
・面倒くさい質問への返答→「人それぞれ」というワードを使うと、会話が終わる。
(あなたが思っている人ばかりじゃないよ)
「人それぞれ」ポジティブ派
・相手の好みが違うことを肯定してあげる時に
→相手に自信を持たせる場合(堂々としとけば大丈夫)
→相手の意見を擁護する
「人それぞれ」ネガティブ派
【特に意見は出てこなかった】
今回は、その言葉の意味を考える方法として、ポジティブもしくは、ネガティブなイメージがあるか、それとも、あまり意味がないのか考えてみた。「人それぞれ」という言葉を使うと、相手の質問の回答になっておらず、「説明の放棄」と捉えることもある。質問者は「なぜ?」と聞いた場合、「人それぞれ」という言葉を使ってしまうと、会話の広がりがなくなり、会話が成立しなくなる。一方で、相手の気持ちを考えて「人それぞれだから大丈夫だよ」というような相手の意見を擁護する意味もあることが挙げられた。
次に、「人それぞれ」が自由になりすぎるとどうなるのかについて話した。
例えば、人それぞれが「赤信号は止まれや進め、青信号は止まれや進め」などルールがある中で、人それぞれが自由に行動し始めてしまう、どうなってしまうのか。また、「人それぞれ」の自由の限界はどこなのか、対話してみた。
・他人に迷惑をかけたらアウト
→(歩行者)赤信号で進むと迷惑、青信号で止まるのはどうでもいい
・他人に害を与えた場合、アウト(摘発、法に触れる)
・ルールがあったら、「人それぞれ」じゃなくなる
多様性の時に、寛容のパラドックス!!
ある程度のルールによって、規制をかけなければいけない。
「人それぞれ」っていう言葉の対象がどこに向いているのか…
A:生徒が生徒を好きになることは許容される
B:生徒が先生のことを好きは許容されない
これらはどのような線引きがあるのか
→条例によって決まっている
→考えるのは自由
パートナーシップが認められているのは、お互いが認め合っているから、迷惑がかからない(そういう人が増えてきたから、条例が決まる)
→今までも迷惑がかかってなかったのに、なぜ?
→迷惑じゃないことが認識され始めてきたから
なぜ年齢制限があるのか
→タバコは健康面
→恋愛は?
→生徒が先生のことを好きになることは人それぞれ
けど、自分の娘が好きになると「待て!待て!」
→前例がないから不安
→無責任
→逆に、「自分が小学生のことを好きになる」ということが問題ないと自信がつければ、法律を変えればいい。
しかし、実際に、自分の娘が、学校の先生から好きと言われたら、嫌だな。
最後に、「人それぞれ」とは、どのような言葉なのか対話してみた。
・便利な言葉
・発言した人の考えうる範囲のそれぞれ(無限のそれぞれではなく、使った人の考えている範囲内)
・自分の価値観で意味を決めない(曖昧なままにしておく)
→曖昧だから、説明の放棄→これがいい!!(言葉で説明することで、その言葉の意味で決まってしまう。そうではなくて、感じ取って欲しい=あなたに期待)
・良い意味で相手に傷をつけずに、良い距離感を保つことができる
・「人それぞれ」にも幅がある!
以上のように、「人それぞれって良いこと?」をテーマに、9名の学生で語り合いました。
「人それぞれ」という言葉は、あまり意味のない言葉かもしれません。特に大きな意味を持つこともなく、場を埋めるような「便利な言葉」なのかもしれません。しかし、「人それぞれ」と考え、自由すぎる社会になってしまうと、迷惑な行為が増えます。「人それぞれ」と発言した人は、その人の許容範囲の「それぞれ」であり、その発言を受け取った人は、曖昧なまま終わることが多いでしょう。一方で、その曖昧さは、相手のことを期待している人もいました。詳細な言葉で説明してしまうと、その言葉の意味に影響されてしまうが、「人それぞれ」と曖昧な発言をすることで、その人がどのように捉えるかの自由度を付与しているとする人もいます。なので、良い意味で相手に傷をつけずに、良い距離感を保つことができる言葉なのかもしれません。
今回は、ファシリ自身があまり使ったことのない言葉について対話してきました。「人それぞれ」というイメージが湧きにくいテーマでしたが、今後の生活で用いられる「人それぞれ」を少し理解できたのではないでしょうか。
では、また次回の「対話すなっく」でお会いましょう!
9月の「対話すなっく」は、9月8日18:00~20:00と9月29日19:00~21:00です。
テーマは、以下のGoogleフォームで募集しています。
もし、「○○を語りたい」「他の人は、○○なことをどう思っているのか聞きたい」などなんでも受け付けているので、テーマを思いついたら、以下のGoogleフォームで送信してください!
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たくさんのご参加お待ちしています!
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